inaho株式会社へ行ってきた。

友人のフルタクに連れられて、inahoへ行ってきました。

そのことについて簡単にまとめました。

(noteではないので、雑にメモ程度に書きます。あと、カメラが故障したので写真ないです。すんません。)

 

 

【行った理由】

①フルタクに誘われたから。
フルタクに信頼を置いているからという意味。おもろくないやつには誘われても行かない。

②最近inahoの名前をよく聞くから。
正直、佐賀にinahoが来るまで、inahoという会社を知らなかった。(本社は鎌倉)。forbesにも取り上げられていて、個人的に気になっていた。

③単純に収穫ロボットを見たかったから。
研究用ロボットには割と見慣れているが、ビジネスとして成り立っているロボットはそもそもまだかなり少なく、見たことがあまりないから。

④ロボットについていくらか質問したかったから。下でもっと詳しく書く。

⑤大学の研究科を機械科ではなく、先進健康科学研究科という研究科に進んだから。
先進健康科学研究科を簡単に言うと、医療×農学、工学×農学、工学×看護学みたいなことする学科。例えるなら、医療×IoTとか、農業×ロボットとか、食品×医療とかね。割とビジネスライクなかんじ。(僕は大学では機械系でロボットの研究やってます。)

 

 

【内容】

inaho×学生BBQということで、鹿島の会社裏でBBQをした。社員さんやスチームシップの方、安東さん(アスパラ農家)と食べながら飲みながら話した。この時は自己紹介程度にしか話してない。いかんせん、夜だったので暗くて、顔が見えない笑。
BBQ後は、社内に移り、社員さんたちともっと詳しい話をした。この時、社員さんと話して、5月2日にもう一度inahoに行くことになった。
その後、夜も遅かったので学生10人くらい(僕も含む)は、inahoの社宅で泊まることに。ここでは、社長さんと社員の萩原さんを中心に話した。社宅はシェアハウスで、中溝のEn-trans感があった。


実際は、BBQ前に会社説明やワークショップもあったらしいのですが、僕は講義&研究室のため遅れていき参加できませんでした。割と楽しかったらしい。


僕的に、社内で社員さんたちと話した時が一番inahoの話をしたのでその話について書いていこうと思う。 

 

 

【inahoについて】

僕の場合、forbesに取り上げられているのを見て初めて知った会社。その後は、Twitterでロボットが流れているのも見た。

公式

inaho.co

twitter.com


forbes

forbesjapan.com

 


YouTube

youtu.be

 

話題になってたツイート

 
何で佐賀なの?とかはforbesの記事読んでくれ。
本当はinahoのエンジニアさんがいらっしゃるとのことだったが残念ながら帰られたそう。
ビジネスにも農業にもあんまり興味はないが、ロボットには興味があるので、正直エンジニアさんと話したかった。そのため、5月2日にもう一度inahoに伺い、エンジニアさんと会いにいくことにした。

 

 

【僕がした質問】

気になってた質問をいくつかしてきた。

 

Q1,なぜ、単純機構ではなく、ロボットアームを使うのか。

事前に気になって、アスパラがどういう風に育てるのかを調べた。まさかこんな風に育つとは知らなかったが、僕が考えていたより、列になって生えていた。
このくらいのばらつきなら、単純機構で切ることも可能ではないか?

 

ymmfarm.com


一本ずつ生えると思っていたが、根から分かれて数本生えてる感じ。社員さんは、たけのこって表現してた。

 
僕自身ロボットを研究している身なので、ロボットついて言えば、複雑な機構を使うのは避ける傾向にある。なぜなら、複雑になる程、故障の原因となり、メンテナンスも面倒になるからだ。
動画にあるように、きゅうりのような高所になる作物ならわかるが、なぜ切る高さがほとんど一定なアスパラガスにロボットアームを使う必要があるのか?

 

A1,アスパラは同時に収穫することが出来ないから。

アスパラガスは、米や麦のように同時に植えて同時に収穫する大量生産作物ではなく、一本ずつ収穫する作物だ。
アスパラガスの収穫判断は、基本的に長さだけだそうだ(他にもあるだろうが主に)。
つまり、アスパラガスは同時に植えることはできても、成長具合(長さ)によって選択的に収穫しなければならない。そうなると、同時に収穫できず、成長してないアスパラを傷つけないように収穫しないといけないため、ロボットアームを使うしかない。
つまり、高さのためのアームではなく、角度や選択のためのアームをという訳である。

また、単純機構でない理由は他にもある。それは、一種類の作物だけでなく、多種の作目を収穫する汎用ロボットを目指しているからだ。つまり、今世の中にある田植え機などのような、一時期のみに使用する機械ではない。春には春の作物を、夏には夏の作物をと、それぞれの時期でそれぞれの作物を収穫できることが目標だそう。通年稼働できる汎用ロボットを目指しているから、単純機構ではなく、ロボットアームなのだ。

 

 

Q2,なぜ、アスパラなのか?

ビジネス的には、トマトやイチゴの方がいいのは確実。佐賀には安東さんがいるが、アスパラで採算がとれるとは思えない。
アスパラは簡単な方であると思うが、色が明らかに違うトマトやイチゴも簡単なのでは?

 

A2,アスパラガスがもっともロボットに適していたから。

トマトやイチゴがビジネスとして、優秀な作物であることは当然だが、それにはいくつかの問題がある。
大きく分けて3つ。熟れ具合、避けて切る、置くことである。

まず、熟れ具合であるが、人間は経験からどの作物でもある程度熟しているかしていないかを判断できる。しかし、ロボットとなると、画像認識と学習によって判断することになる。この学習が面倒なのである。例えば、トマトは種類によって熟した時の色が少しずつ違う。つまり、種類の違うトマトを栽培するなら、また違う学習をしないといけない。これが時間がかかる。この点、アスパラガスは基本的に長さだけで食べ頃を判断できる。
緑の中の赤の方が画像認識しやすいと思ったが、種類によって熟れ具合は違うのでそうではないらしい。アスパラガスの方が、土の茶色と緑だけを判断して、あとは長さだけなので処理は楽らしい。

次に、避けて切るということだ。上での画像処理と少しかぶるが、アスパラガスは他の野菜と比べると避けて切るという必要性がない、5本のアスパラガスの中から、1本のアスパラガスを切るくらいの制御ですむ。これがキュウリになってしまうと、つたや枝を切らないように避けながら選択的に切る必要性がある。また、キュウリは緑(葉やつた)の中から緑(キュウリ自体)を選ぶ必要があり、画像認識がめんどう。
また、トマトやイチゴも茎の部分を誤って切らないように選択的にヘタの上部分を切る必要性がある。果実もアスパラガスやキュウリほど固くないので、慎重にアームを動かす必要性があり、高度な技術が必要になるそうだ。

最後に、作物を回収する際にボックスなどに置く作業である。アスパラガスやキュウリは固い作物なので、ある程度適当に置いても大丈夫であるが、イチゴはそうではない。同じ場所に起き続けると重さで傷んでしまうこともある。イチゴは、箱に均等に置いていく費用がある。大きさもそれぞれ違うため、ただ単純に整列させることも出来ない。形を見ながら、テトリスのように置く必要があるらしい。


つまり、まとめるともっともロボットに適していた作物がアスパラガスだったらしい。

 

 

Q3,inahoの最終目標とは?農業をすることではない?

 

A3,時間をつくること

話を聞いている中で面白いことを聞いた。ロボットで収穫したい訳じゃない。収穫する時間を減らしたいのだ、と。収穫する時間を減らすことができれば、その他の時間が生まれる。遊びに行くのもいいし、作物を売りに行ったり、ブランディングする時間も増える。
自動運転で移動という実質概念が消えてしまうように(車の中で他の作業が出来るから)、自動収穫によって収穫時間が消えその他の仕事ができるようになる。
だから、ロボットを使いたい訳ではなく、ロボットを使うことで、もっとクリエイティブなことをできる時間が増やしたい。たまたま農業をやっているだけで、究極的に言えば、本当はなんでもいい。時間を作りたい。

 

 

終わりに

割と楽しかったです。
エンジニアさんと話せなかったのでまた行ってきます。今度5/2にも行くので、何か質問してきてほしいことがあったら、Twitterなどで言って下さい。

 

フルタクって誰やねん?↓

フリーランスの人。

何やってるかはよく知らん。農業とかお酒とか。

twitter.com

www.facebook.com

 

守破離について

守破離についておさらい&勉強

 

【理由&前提知識】

・カモちゃん先輩が言ってたのを思い出して、改めて整理しとかないといけないと思ったから。

・一般的にいうクリエイティブは0から始まるわけではなく、0に近い有のインスパイアから始まる

 

 

守破離とは】

ja.wikipedia.org

 

千利休さんの言葉なんですね、知らんかった。

 

 

羽生結弦の言う感じの、これと似てるな。

 

 

 

理系的に言うとこれ

 

 

ツイートの一連の流れ↓

羽生結弦選手の語る「正しい技術と、基礎によって裏付けられた表現力」の大事さに多くの意見が寄せられる「職人的な気質」 - Togetter

あ、一連の流れの中に普通に守破離ってコメントもあるやん。

 

 

守破離は序論本論結論ではない】

マクロに見ると、守破離は序論本論結論という順になっている。(序破急って言った方がいいかも)

 

が、ミクロで見れば、序論の中でも、本論の中でも、結論の中でも、守破離が行われている。

つまり、螺旋状(DDCAサイクル的な)。

 

小さく守→破→離→守→破→離を繰り返しながら、大きな流れとしての守破離がある。

 

 

似たようなこと書いてる人がいた↓

勘違いされがちな守破離の「考え方」について | 前田王子の占いのウラ話

確かに常識とか伝統とか当然とかに囚われてるのもダメなので、大人になるほど「離」は大事かもですね。

まぁ、でもどれが大事というより、全部大事なんですけど。

 

 

【知ったこと&まとめ】

守破離は螺旋構造

(大きな流れとしての守破離と小さなサイクルとしての守破離がある)

・螺旋構造だからどこから始めてもいい

 

弘道館2に行ってきた。【後編】

前編の続き。

 

弘道館2へ行ってきた。【前編】 - 自主休講

 

ワークショップも超楽しくて、ワクワクが止まりませんでした!
八谷先生の夢の強さが体感できたような気がします。

今度は実際に好きなもの、ハマっていることを事業にしていきます。緩く楽しく、けど真剣になって考えるワークショップでした。

 

目次
1, 履歴書を書いてみよう!
2, 10年後やりたいことを考えてみよう!
3, 投資してみよう!
4,まとめ

 

それじゃあ、行ってみよう!
(今回、文字多めです)

 

 

1, 履歴書を書いてみよう!

履歴書と言っても堅苦しいものじゃないです。
自分が今まで何をハマったのか、何が好きだったのかを年齢に沿って絵と一緒に描いていく感じです。八谷先生のをお手本にしながら描いて行きます。

 

こんな感じなりました。

非常に見にくい。
でも、これがめちゃめちゃ楽しくて、全っ然時間が足りない!まだ全然描ける!
45分間も時間あると思ってたのですが、時間が一瞬で過ぎてしまった笑。

 

絵と文を織り交ぜて、出来るだけ見やすく作ります。小学生の頃やってたような発表用紙みたいな感じで楽しいです。

僕、総合の時間とか調べ学習とか好きだったんですよね。発表とかディベートとか。最強のゆとり世代なのでそういうところが凄く好きだし、得意ですね。
(小1から高3までフルゆとり世代です)

 

幼稚園から小学生の頃は、虫がもうめちゃめちゃ好きで、意味わからないくらい好きで、虫図鑑(NEO)を暗記してました。
将来の夢は虫博士でしたからね笑笑。
どうぶつ奇想天外!」に出ていた昆虫写真家の方に憧れてました。

でも虫は好きだったんですけど(今はむしろ苦手)、幼稚園の時サシカメムシという虫に小指を刺されてクソほど泣いたのを覚えています。多分人生の中で骨折の次くらいには痛かった笑。(サシカメムシは餌に毒を流し込みドロドロに溶かしてそれを吸って飲むという猛毒の持ち主です)

 

中高は割と大人しかったですね。
けど、やっぱり発表とかプレゼンとかディベート、あと企画を考えたりするのが好きだったので、生徒会とかなんやなんや色々やってました。

ここらへんの頃は、デザイナーエンジニアに憧れてました。中学生の頃はガーデンデザイナーになりたかったですね。確か、海外で活躍してる苔で和風の庭をつくるデザイナーの方に憧れてました。あと、小学生の頃、絵や花を生けた作品を担任に褒められたことがあって、たぶんそこらが理由ですね。

エンジニアは逆に小さい頃からずっと、もやもやとは頭の中にありました。その頃はエンジニアもメカニックも科学者も同じようなものだと思ってましたね、、、。

小さい頃から、じいちゃんの影響でものづくりが好きで工作したり、ミニ四駆LEGOで遊んでました。時計とかラジコンとか分解して、直せなくなってそのまま捨ててた記憶があります。

(じいちゃんは漁師なのですが、家を建てたり、竹馬作ったり、電子工作したりとよくわからない人です。家は設計だけじゃなく、基礎から柱建てて屋根載せるまで全部自分でやってしまうというクレイジーじじいです。)

 

大学Twitterの通り、知ってる通りです。
自転車、カメラと趣味が増え、たまに旅に出たりしてます。企画を考えたり、イベントに参加したりするのはやっぱ好きなので、それもやってますね。

 

 

この履歴書を見ると、今好きなものって大体小さい頃からの延長なんですよね。好きだったもの、褒められたこと、コンプレックスだったこととか、そういうのがなんやかんやして今の夢や目標になってます。

やってることは就活の自己解析と同じ近いんだけど、なんか楽しくやれますね。懐かしいなぁってほんわりします。

 

履歴書を描く際、イラストと文章でということでしたが、多くの人(僕も含め)が文でばかり描いてしまいました。理由の多くは下手だから。

しかし、八谷先生は絵やイラストはすごく大事だといいます。

「下手や上手いとかじゃない。絵の方が情報量が多い。それに何が好きだったのか伝わりやすい。」
「(逆に言えば)好きなもの、ハマってるものじゃないと絵は描けない。」

 

確かに!!
僕も自転車やロボットの絵ならいくらでも描けますが、それ以外無理ですもん。

この履歴書をつくるのに大事なことは、
好きなことハマっていたことを絵と文章を使って描くことですね!

 

 

2, 10年後をやりたいことを考えてみよう!

履歴書をつくったことで、自分の好きなことやハマっていることが明確になりました。
では、この履歴書から10年後やりたいことを考えます。

こんな感じになりました。
(日本語が色々おかしい)

ここで重要なのは、
・好きなことを1つ選ぶこと
(2つでもいいが少ない方が良い)

なぜそれが楽しいのか
(自分以外の人にその楽しさを伝える)

・それを実現しているテクノロジー
(八谷先生曰く、テクノロジーが世の中を変えることは既にわかってる。把握しておくことが大事。これは僕も同意です。)

・お金のことは考えない
(やりたいことをとりあえず考えてみます。)

 

今回はとりあえず、自転車について。
自転車は楽しいですからねー。いくらでも語れるのですが語りすぎるといけないので、出来るだけ短く。

 

なぜそれが楽しいのか?

僕は自転車の「本質的な楽しさ」が好きなんですよね。なんというか自転車乗ってると自然に鼻歌歌いたくなるじゃないですか?あの「高揚感」や「動的瞑想」が好きなんですよね。
レースには出ないし、速くなくてもいいし、ツーリングしなくてもいい。本来自由を愛する乗り物です。
僕にとって自転車って、日常のほんの一部の、コンビニに行く道のりを幸せに変換できる最高のマシーンなんですよ。

 

それを現実にしているテクノロジー

最近は、電動シフターやGPS付きのサイコンなどハイテクな部分もありますが、今回はどちらかというと自転車の本質性の拡張コミュニティなどを重視しています。だから、テクノロジーSNSとかサイクルシェア。また、日本は山が多いので電動自転車(e-bike)なんかもそうなりますね。

 

10年後私がやりたいこと

自転車が使いやすい社会をつくりたい!
(写真は社会が2回並んでて日本語がおかしい)

日本って自転車大国の1つで、半数の人が自転車を所有してるんです(僕は3台持ってるのであれですが)。学生時代はほとんどの人が乗るものですよね。

なのに、自転車が邪魔者扱いされることが多い。車やバイクの下位互換的な扱いにされてしまう。法律的には歩道は走れないはずなのに、車道走ったら邪魔だと怒られるってどうなってんだ笑。バグか。

このような自転車に対する法律や人々の考え方、つまりソフトウェア的なところを改善する必要があります。

その一方で、自転車にも様々な自転車があります。ママチャリとスポーツ自転車だけが自転車ではありません。ロングテールバイクカーゴバイクは日本ではあまり見かけませんが、実用的で非常に生活に適したバイクです。また、最近では電動自転車があるので、楽で快適な自転車生活を送れるようになりました。山道もスルスル登れます。

こういった自転車のソフトウェア的な面とハードウェア的な面の双方を改善しなきゃいけないと思うんですよ。それを改善するのが、SNSでのコミュニティだったり、YouTubeの動画だったり、本質的な楽しさだったりすると考えました。

特に佐賀って平地が多く、自転車がすごく使いやすい県です。最近佐賀県はオランダを推していますが、そのオランダは世界で一番進んだ自転車社会が実現しています。見習うわけではないですが、そんな自転車と人と自転車が共存できる社会を構築したいですよね。

エコフレンドリーで、健康的で、コミュニティ重視なパーソナルモビリティとして、機能したら最高だよなぁ、、、。

 

それで、結果的に10年後やりたいことがホントにやりたいことなのかというと悩ましいところですが、この履歴書に沿っていくといつのまにか理想郷が出来上がりました笑。
(自転車は大好きだけど、仕事にはしなくていいかな。まぁ、本当にやりたいことは後々noteとかで描いていきます。)

 

僕の理想郷も出来上がり、他の参加者たちもどんどん夢を記していきました。
では、最後に他の人たちがどんなやりたいことを描いたのか見てまわります。
(まさか人に見せる思ってなかったので、字も絵も汚い笑。ほんとすいませんした。)

 

 

3, 投資してみよう!

投資とは言いますが、他の人の夢を見て応援したい夢に対しお金を置いていくという感じです。クラウドファンディング的に、面白そう!応援したい!ってものにお金を払っていきます。

まず、一人ひとりが3000万円持っているとします。おもちゃのお札が配られました。1千万円札と2千万円札の2枚です。

それで、見てまわって一番応援したいと思うものに2千万円を、二番目に応援したいと思うものに1千万円を払う、というルールです。
ただし、八谷先生と倉成さんは1億円(5千万円札2枚)持ってます。

 

他の人のを見てまわると、みんな夢がヤバくて感動しました。すごく応援したくなるものばかり。もうこのバーチャル2千万円じゃなくて、本当のお金を送りたい

この弘道館2には中学生から24歳まで参加出来るのですが、年齢問わずクリエイティブに溢れていました。歳上の方が言葉が上手いなという印象はありましたが、中学生でもブラッシュアップすれば全然イケるんじゃないか!?というアイデアばかり。非常に熱かった。

 

投資が終わり、自分の席に帰っていくら投資されたか見てみます。

うおっ!7000万円(バーチャル)!
しかも、5千万円札が!

 

八谷先生が置いてくれたみたいです。ありがとうございます。佐賀の土地に適したアイデアだったのが評価されたんですかね。すごく嬉しかったです。

 

 

しかし
このワークショップって、お金のことを全然考えてないし現実的でないように見えます。
僕も最初は中学生がいるから難しい話はあえてしていないものだと思っていました。

八谷先生曰く、意外とお金はどうにかなるものだと。 クラウドファンディングもある世の中だし、投資家も沢山いる。お金をどうするかより、応援されるようなものをつくろう。

なんか凄く今的でした。
実際、そんな簡単にはお金は集まらないかもしれませんが、応援されるような夢を持つって大事なことですよね。

 

 

4, まとめ

全然、前編と後編だけじゃ終わらなかったので、全体のまとめとして最後もう一個書きます。質問とこの弘道館2を通してのまとめです。

弘道館2へ行ってきた。【前編】

8限目の講師は八谷和彦先生。
あのナウシカにでてくるメーヴェを実際に作ってしまった人です。ヤバイっすねぇ。まさか佐賀出身とは知らなかった。

とてもユニークでシンプルに面白かったです。
なんと言うべきか、最後に笑顔になってしまうようなほわっとしたワクワクな面白さでした!

 

弘道館2とは?

公式サイト

 

倉成さんの記事です。勝手にプレゼンFESは本当に面白いものを生んでますよね。

 

 

それでは、講義の方へ。

 

弘道館

8限目 「破壊的イノベーション学」

八谷和彦先生

 

ギャラリーツアー(県立博物館)
12:30~13:00  受け付け
13:00~14:00  ギャラリーツアー

ワークショップ(JONAI SQUARE)
14:00~15:00  履歴書を書いてみよう!
15:00~16:00  10年後をやりたいことを考えてみよう!
16:00~17:00  投資してみよう!

 

 

 

ギャラリーツアーまでを前編、ワークショップからを後編で、時系列に書いていきますね。

目次
1, 受付
2, ギャラリーツアー
3, まとめ

 

 

1, 受け付け

始まる前に、倉成さん(電通の方です)が開口一番こんなことを。

 

「佐賀、ズルい!!!」

 

わっかる〜〜っ!!

佐賀ずるいよな。
弘道館2なんて佐賀出身の色んな専門家や有識者を呼んで、その人たちに講師として教えてもらえるなんてさ。

今までにも、ブラックモンブラン竹下製菓の社長さんやCygamesの社長さん、優木まおみさんも登壇しているし。

しかも、無料で!

弘道館2もだけど、それ以外にも最近の佐賀県のアニメ推しやサガプライズなんか他県の人からしたら羨ましいんじゃないか?
他県なら金払って抽選で絞られてしか参加できないものにスルスル参加できんだからほんと良い笑。

 

まぁ、それはいいとして。
読む前で悪いんですけど先に言っておきます。

 

クッソ楽しかったです。

 

 

2, ギャラリーツアー

実は三人展はこの時初めて行きました。
詳しい話も聞けたんでたぶんもう一回行きますね、これは。

ヒエー!ヤベェ!!!
あのメーヴェ(機体名M-02J)が目の前にある!カッケェ!!!

実はTwitterYouTubeで何度か飛んでる様子は見たことがあって、八谷先生のことは知っていたのですが、実機を見るのは初めてで、、、。
やっぱこういう自作メカを見るとアガりますね。

機体の下部の左側に自家用、右側にはM-02Jの文字が。

 

一番驚いたのが、この機体が102kgしかないこと。
人力飛行機も50kg前後とかなり軽いことで知られていますが、エンジン積んでてこんなに軽いのか!と驚きました。

八谷先生が
メーヴェと言っても本物と全く同じわけじゃない。翼を大きかったり、翼に後退角が付けられてたり、ソリじゃなくてタイヤだったり、、、」と機体を説明してる時に、

ふと片手で翼を持ち上げたり、その後も補助輪によって左右に機体が揺れたりと、あまりの機体の軽さに会場内の人たちが一瞬えっ、?と目を丸くしました。
(普通は触るの禁止なので、八谷先生が持ち上げたのでわかったことです)

 

 

もう一つ驚いたのが、このM-02Jの操縦方法。

YouTube動画メーヴェ

いや、そもそもさ、無尾翼機ってのがやべぇよ、、、
まとも飛べるわけがねぇ、、(既に飛んでる)
なんだその乗り方、頭おかしいんじゃねぇか(失礼)

 

そして、操縦席がこれである。

身体を乗せるシートとスロットルしかねぇ、、

というか、そもそもの機体制御がめちゃめちゃ難しそうな形状のくせに、操縦法はかなりアナログで感覚的じゃねぇか、、、、

なのにちゃんと飛ぶので、それで飛ぶんかーい!って感じです。実機を見た後の方が、飛ぶんだよなって不安に思ってしまいます。
動画の中ではハングライダーや滑空機のようなイメージが強かったので割とそうでもなかったのですが、実機を見て驚きました。

 

八谷先生が操縦方法についても教えて下さいました。
このシートの上で、身体を前にやると下へ、後ろにやると上へと行くそうです。

まさかの上昇降下は重心移動。
いやいや、降下と着陸怖すぎんだろ笑笑

それで、旋回は身体の右に重心を移動すると右へ、左も同様にすると左へ行くそうです。これはシートから繋がってるオレンジ色のロープとエルロン(フラップ?)が連動しています。

つまり、操縦は重心移動(体重移動でしてるんですよね。すごい、、。

 

 

機体も凄いのですが、八谷先生の操縦がかなり凄いのでは?と思いました。
たぶん普通の人は乗れません笑。
訓練量や執念、夢中さみたいなものを感じます。

三人展にフライトシミュレーターもあったので、次行く時にチャレンジしてみます!

 

ネットサーフィンしてたら同じような記事が。
やっぱそう思いますよね。

 

 

で、この機体(OpenSkyプロジェクト)にかかった費用が

1億円。(03年から16年間)

1億と言えば高く聞こえますが、飛行機を開発するにあたって、しかも無尾翼機でグライダーのような操縦方法の前代未聞の飛行機が1億で作ってしまったのはほんと凄い。

 

話を聞く限りのことしかわかりませんが、製作だけでなく試験場の確保などでもかなり苦労しているように思いました。

(少し話はそれてしましますが)
そうなると、飛ぶかどうかという技術的なところだけでなく、人の縁とか人間関係の努力の部分が必要になってくるんですよね。
勿論、夢を叶えるにはそれなりの執念や努力が必要なのはわかります。
でも、もっと自由化し、支援や協力がやりやすくなるといいですよね。

技術がオープンになって一般人にまで降りてきて、もっと自由に支援したり協力したり、誰でも参加できるようになったりすると、さらにその分野が発展できるのになぁと思います。
鳥人間コンテストや最近のVRブームがそれに近いですね。

 

 

これが何の役に立つんですか?は僕もわかりません。しかし、1億円以上の最高のエンターテイメントであるとは僕でも言いきれます。
八谷先生の場合は、アートとして、もしくは事業としてですが、最高の浪漫が詰まっていて素敵な夢を見せてくれます。

僕も所詮、夢と浪漫で生きてます笑。エンタメ万歳!笑。
役に立つかは知らんがあった方が楽しいやん!おもろいやん!という思考で僕もエンジニアリングをやってます。

その上ですごく参考になりますし、憧れますね。

 

 

そして、ギャラリーツアーの終盤から、好きなことやハマってることを(仕事やビジネスにする上で)どうすれば良いか、お金は?と、この後のワークショップに繋がって行きます。

クラウドファンディングや投資に近い考え方でしたがシンプルで、本当にいい意味で夢のあるワークショップでした。魅力的で夢のあるものは確かに応援したくなりますね。
ワークショップは後編へ続きます。

 

 

3, 最後に

実は、前に僕もこういう乗り方の飛行機を作ってみたいと思ったことがありました。
「エクラノプラン」という地面効果翼機がすごく好きで、高速海上移動をする1人乗り、2人乗りの飛行機あったらカッケェし、割と実用性もありそうだよなぁと思ったり笑。

こんなんです(高3の時ノートに描いてた)

ラストエグザイル(漫画・アニメ)のヴァンシップやラピュタジブリ)のフラップターエウレカセブン(アニメ)のリフが好きで、そこら辺の影響もありますね。

それ故に、僕にとって凄く夢のある機体で、凄く夢のある憧れる人なんですよね。本当に夢を見せるものをつくる人です。

 

後編に続きます!

 

Opensky

PetWORKs

三人展

明星和楽2018に行ってきた(最終日だけ)

先日、明星和楽に行ってきました。
院試の勉強中なのでそんな暇は実際ないのですが、最終日に半日だけ。

過去に2回明星和楽のスタッフしたことがありましたが、今回は院試10日前だったのでさすがにしませんでした。
なので、たまたま空いた日に眺めに来たという感じです。
何も調べずに来たので、着くまで今日何があってるのかすら知りませんでした笑。

ホントは、松永夏樹さん(きゅんくん)やいけあやさんの話も聞きたかったんですけどね。
きゅんくんに関しては普通にファンなんです。同年代だし、ロボットやってるし、エモいし、すごく尊敬してる人です。

1番真ん中の方がきゅんくんです。

 

 

昼から行ったので、セッションを2つ聞いて、その後はブースをぐるぐるしてたって感じです。

セッション

「エンタテインメントに突きつけられた逆説」

サウンドプロデューサーの戸田さんの言っていたマイクの話で、
出力する方法(スピーカーなど)は最新技術が使われ変化する一方で、音源をとるマイクはあまり進化していない。
という話は面白かったですね。
たしかにパラドクスです。

 

ちょうど昨日似たような話を自分の研究室でしたのですが、最近のパソコンって高性能すぎるよねって。アウトプット方法が多様化、高性能化し、4K対応とか、HD、ハイレゾとか色々な機能がデフォルトでついています。

(ただ、パソコンとして使用するのにその能力って実際は大して必要ないし、そのリソースがパソコンである必要性もない。エンジニアとしての僕らは、コード書いて、プログラム処理して、スライド作って、CADやってくらいしか使わないので低中画質でいいから処理速度だけ速くなれば、実際割とそれでいいんですよね。)

逆にインプットって、ほとんどがキーボードです。マウスや最近ではタッチパネルもありますけど、インプット最速のデバイスとしてはやはりキーボードです。
タイプライターからはさすがに進化してますが、あんまり変わってはいませんね。

(映像クリエイターや画像加工をする人は、画質重視でマウスも使うので、それぞれにあったリソースやデバイスが必要かもですね。でも万能である必要はない。)

なるほどなぁ〜って思いました。

 

後半からはVirtualYouTuber十六夜子さんも登場しました。

ホント未来感ある。

 

残念ながら十六夜子さんのことは知らなかったのですが、Vtuberはよく見ます。
Vtuber輝夜月ちゃん、猫宮ひなたちゃん、のじゃおじさん、showroomerの東雲めぐちゃんらへんをたまに見ます。
すごい時代だなぁと思いますね。

 

前に、けんすうさんが

と言っていたのを思い出します。
まさにそれ。

 

このセッション(現実世界)は、十六夜子さんがYouTubeにアップしていたのでリンク貼っときます。

 

 

セッション

「これからのロボット産業が目指す世界」

この豊橋技術科学大学の岡田先生はムーを作った人です。なんか懐かしいですね。

Muu、たぶん見たことあるんじゃない?

 

僕もロボットやってるので、セッションで話し合ってる内容はよくわかります。
(どっちかというと僕はハード寄りですが)

 

今回の話の軸は「弱いロボット」でした。
不完全で、他からの協力や援助がないと仕事ができないロボット、と言えばいいでしょうか。

現在のロボットのほとんどが工場のような場所で使われているのですが、今後はペッパー君のように社会に出るロボットがもっと多くなる可能性にあります。
つまり、インフラとしてロボットが世の中で活躍するようになるということですね。

ただ現状、ロボットが社会にインフラとして実装されるのはかなり難しい。

いくつか問題がありますが、
1番の問題がロボットに対する期待値が高すぎることだそうです。

確かにロボットって、何でも完璧にできて、速くて正確という印象が強すぎます。
期待値が高いすぎるあまり、実際動かしてみた時出来ることは限られてるので、その評価がすごく低くなる。
実際僕もペッパー君に対して、お前何なん?って、はま寿司やソフトバンクでよく思います。
ペッパー君とかAIスピーカーとか、動きや音声が機械的で不快に感じることもあります。

特に、日本人は、八百万の神付喪神的な考え方や、鉄腕アトムドラえもんのお陰で、ロボットに対する生物的な期待度が高いと言われますからね。

 

セッションの中で取り上げられたのは、roomba(ルンバ)の話でした。

ルンバはロボットでありながら、僕らがこいつが完璧でないことを知っています。これはルンバの持つ「弱さ」です。
だから僕らユーザーは、ルンバが掃除しやすいように、家具を選び、家具を配置し、段差がないようにしています。
これは、ルンバの持つ「弱さ」が僕らに作用して、ルンバを道具として使っているという状態にあります。

ロボットも道具ですので、ある程度そこは理解しないといけない。
スマホは充電しないと使えないし、勝手に自分で充電しない。皿は洗わないと汚れてるし、勝手に綺麗にならない。
みたいに、ロボットが社会インフラとして実装された場合は、出来ることと出来ないことを理解して上で使わないといけません。
未だ完璧なロボットは存在していませんので。

 

また、セッションの中でも取り上げられたのですが、ITやAI、ロボットといったようなワードってビジネスにおけるマジックワード(曖昧だが魅力ある言葉、殺し文句)的な要素がかなり大きい。

IT×〇〇とかすると、いかにも凄そうな雰囲気をかもし出して、ビジネスではウケるんでしょうが。

 

だからこそ、ロボットの技術が発展していく中で、同時にユーザーのロボットに対する意識も変化させていく必要がありますね。

 

 

3Dフォトスキャナー

これ、きゅんくんが結構前にTwitterかインスタにあげてて知ったんですよね。
きゅんくんが使ってたのはデジネル(DiGINEL)さんの物なのでこれとは違う3Dスキャナーなのですが、こういった大きな3Dスキャナーをリアルに見るのは初めてでした。
デカいわりにカメラ自体はスマホのカメラと同じくらい。それが無数にある。
未来感溢れます。

実際に写真も撮ってもらいました。
3Dモデルを形成するのには時間かかるらしいのですが、写真撮るのは1秒くらいで「まじか」って感じで一瞬でした。
3Dモデルは今度メールで送ってくれるらしいので楽しみです。

 

 

おまけ(屋台)

 

あ、あと屋台が来てたのですが、河豚が美味かったです。これは河豚鍋汁です。河豚天も美味しかった。

 

 

最終日に半日しか行ってないのでわかりませんが、ブースは海外を含めたスタートアップ系が多くて、去年までみたいな展示?が少なかったです。キャンプの方にあったのかな🤔

 

 

最後に

最終日しか行ってないので、気になった方はTwitterInstagramで、「 #明星和楽 」と探してみると面白そうな写真が出てくると思います。

僕の話にもちょくちょく登場する「明星和楽」。大学生活で出会って最も良かったものの1つです。
まぁ、その話は長くなるので今度にしますが、めちゃめちゃおもしろいお祭りです。

来年もあると思うので、その時はエンジニアやプログラマー、デザイナー、クリエイターの方は参加してみては?

 

(ツイートは明星和楽Twitter公式アカウントから引用させていただいきました。)

#明星和楽

魔法にかかる

最近、落合陽一にハマった。

昔から名前は聞いていたけど、音波で発砲スチロール(?)を浮かせていた動画を見たくらいからやべぇやべぇと思いだした。Twitterも前からフォローしてたのでTLになんじゃいなんじゃいいつも流れてきてたのは知ってる。

 

僕の話、理系で工学部なのもあって、機械やロボットが大好きで最新テクノロジーは最の高でテンション上がる大好物だ。攻殻機動隊とかガンダムとかそんな世界に憧れるオタクでもある。まぁ、そんな工学部なオタクって僕に限らず多いんじゃない?Boston dynamics社とかイーロン・マスク氏とかホントもう、、!!って感じ。それに限らずスタートアップとかベンチャーの技術も同じで僕をワクワク、ソワソワさせる。

落合陽一もその一人だ。

 

落合陽一を一度でも見たことがあるなら、多くの人が服装や行動から変な奴だと思うだろう。全身真っ黒でヨウジヤマモト、胡散臭そうな長い髪、テレビ出演中もスマホを触る。情熱大陸なんて始まった瞬間からストローでカレーを飲んでいた。そして、「現代の魔法使い」という異名を持つ。

なんだこいつは。変態か。厨二病か。

まぁそんなことは置いといて、この胡散臭い魔法使いに魅了された僕は、学校の忙しさから解放されたここ数ヶ月魔法使いの本を読み漁った。

 

落合氏の話を聞くと理系ならたぶんああ!って思えることがよくある。どちらかというと、自分の中でも気付いてはいるけどそれを上手く言葉に出来なくて違和感としてしか感じれないもの、これを上手く言葉にしてくれる。(余談だが、話の中で落合氏は言語化することは思考の整理と言っていた。)

多くの場合、AIとかビットコインとかシンギュラリティだとかそんなキーワードをもとに少し未来の話が繰り広げられる。

 

ちなみに僕は割とシンギュラリティ信者で、さすがに2045年は早いだろと思いつつ遠くない未来いつか到達すると考えている派だ。

 

超要約すると本の話はこうだ。

テクノロジー(特にコンピュータ)が凄い勢いで成長してきている。未来では人間とコンピュータの関係性は今とは変わっているだろう。そんな中でどう生活していけばいいのだろうか?日本はどうするべきなんだろうか?

 

要約は僕以外にも書いてる人がいっぱいいるから割愛。というより、ビジネス書なんて読んでる暇があるなら、落合陽一の本を読んでくれ。

 

自分がたまたま色々と考えていた時期(将来のことについて)だったのこともあって、ハマってしまった。全部が全部ではないが割と共感できる。

読んだ後に言えることは、今まで僕の世界には魔法がかけられていた。落合陽一にも魔法をかけられた。だが、いや、だからこそかもしれないが、僕も魔法をかける側になりたいと憧れた。

大学4年目になる春思う

気付いてたら3年も過ぎてた。

やばいやばい、何もしてない。

同期はみんな就活に追われている。そういえばと思い出して慌てて取り出したようなスーツを着て、学生らしい髪を整え、全身を黒に染め上げた。

自分のやりたい仕事ってなんだっけ?そもそも自分は何をしたいんだろう?欲しいのは金か、時間か、幸せか?自己分析?人生設計?

なんて疑問を考えながら、似合わないビジネスバッグを抱え、とりあえず就職説明会なんかに行っている。

3月1日に就活解禁となり、毎年恒例の就職競争が始まった。

 

僕は1月に大学院に進学すると決めた。実は院に行くことにあまり乗り気ではなかった。

今は景気がいいし、学部卒も院卒も仕事内容が変わらないと聞く。まして、院に行ってしまうと卒業がオリンピックの次の年。景気は悪くなり就職なんて簡単にできないかもしれない。特に院に行くメリットは見つからないし、そんなに遊んでばかりもいられない。両親にもそんなに勉強ばかりして何になるんだと言われ始めた。

僕もそんな風に思っていた。

 

そんなある日、僕にとって大きな出来事があった。いや、一問と言った方が正しいかもしれない。

 

就活中よくこんなことを聞かれるだろう。

「あなたの特技は?」

「あなたの個性は?」

なんだろうな、答えることができない。

好きなものは増えた。自転車、カメラ、旅、温泉、コーヒー、音楽、布団、たくさんある。

けど、僕は僕の特技や個性を知らない。勿論、表面上の薄っぺらいそんなものだったらいくらでも言える。自転車の事なら割と詳しいし、一人旅だって慣れている。そこら辺の事なら普通の人より詳しいしそれなりの自信もある。けど、自信を持って大きな声で言えるそれを持っていない。

元気があります!ポジティブです!やる気なら負けません!クリエイティブな発想をします!

よく聞くこんなもの、特技でも個性でもない。誰でも言えるし誰もが言う戯言だ。

企業がそれをどう思うかなんて好きにすればの一言で終わる話だけど、自分がこんなこと言っていた日には誰かに右頬を殴ってもらおう。

 

と言うのも、何故なら1月にあの問いが放たれたからだ。その日、問いは夢を語った僕に容赦なく石を投げつけた。

「なぜ君でないとダメなのか?」

「なぜ君以外の人間ではダメなのか?」

うるせぇと殴ってやりたいと思った。今でも思い出す。あのジジイは僕に僕の個を問うたのだ。

答えることができなかった。悔しかった。夢を否定されたと思った。拳を握り、歯を食いしばった。

(勿論この時、口では適当なことを答えてはいるが、本当の答えを僕自身わかっていなかった)

 

あのジジイは問いはこう。

「なぜ君でないとダメなのか?」

つまり、お前がやるべき理由、お前でないといけない理由があり、それはお前がお前であるという何か(=個性)があるからだと、そしてそれを示せと。

(哲学的な話は置いといて)この質問にどう答えればよかったのか僕なりに探してみた。僕以外ならどう答えたのだろう。

例えば、漫画「食戟のソーマ」では、幸平創真と四宮小次郎(スピンオフ)が自分の料理に出会うまでが上手く描かれている。彼ら以外もそうだが、得意料理や好きな料理に、情熱や思いがあり、さらにアイデアと斬新さを加えていき、自分以外の誰も作れないオリジナルの料理を作り上げていく。幸平創真の場合は定食屋として、四ノ宮小次郎の場合はフレンチと日本文化(特に野菜)の融合として、自分の特技や情熱を個性に変えていた。

例えば、落合陽一の話からは、AI時代に生き残る人間の仕事について考えてみる。高い専門性や独自性、またクリエイティブなものはAIやロボットには変わることができないと指摘している。僕はこれを(AI時代の)個性だと考えた。また、情熱(モチベーション)や夢(やりたい事)はロボットやAIには真似できず、人が持つ最大の特徴であり、矛となる。

つまり、好きや得意なだけではダメで、それに情熱やアイデア(創造性)も必要となる。そして、自分の特技や情熱に気づき、それを自分の武器として戦えるようなものが個性なのではないか、と解釈した。

 

僕は夢に対してそういう個性を自分自身に見出せず、作ることもできなかった。なぜ僕でなければならないのかわからなかった。

 

数十マス戻った気分だ。

僕は何をしようかと自問自答が続いた。

夢はある。けど、今はまだ残念ながら上手くそれを言語化できない。やりたい事もたくさんある。けど、それも言語化できない。

留学の試験には落ちた。今まで思っていた事もやりたかった事も全て有耶無耶になった。分解されバラバラになった。

けど、夢の軸は変わっていない。そのイメージは未完成だが着実に育っている。

 

漫画「3月のライオン」の島田開のこのシーンを思い出す。

タイトル戦で吹っ飛ばされた人間はみな一度は調子を崩す。それはね、当たり前。「このままじゃダメなんだ」と番勝負の間に徹底的に思い知るからだーーーそして自分を一回バラバラにこわして再構築を試みるからだ。また一からな。みんなそう。ま、みんなって「経験したヤツは」って事だけどね。

ハガレンで言うならば、理解・分解・再構築だ。僕は島田さんのようには強くない。勿論エドワード・エルリックのようにも。ただ僕も嫌という程「このままじゃダメなんだ」を思い知った。

バラバラにはなったがかけらは残っている。軸もある。曖昧だが夢もある。再構築しよう。

 

大学生活は4年目となる。まだ桜は咲いていないが春らしい季節を感じられる。順風満帆とはいかない。

これから研究やら就職やら当面様々な困難や問題を抱えることになる。辛いなぁ、面倒くさいなぁというのが正直な感想。

でも、今のところとりあえず大学院に進み、少しでも専門性を身に付け、その間に自分の個をつくる、そして自分オリジナルの武器を手に入れる、それしかない。勿論、これは先延ばしに過ぎないことは知っている。いつかまたあの問いに答えねばならないことも。

あのジジイを、あの問いをぶん殴ってやると、この春決めた。